人類初の有人宇宙飛行を成功させたガガーリンは、無重力状態に入ったことを知るために、宇宙船内にくまの人形を吊るしていたそう。
今でも無重力インジケーター(指標)兼お守りとして、宇宙船に人形を持ち込むのが伝統になっているよ。
このように宇宙飛行を行う際には様々な不思議な習慣があるんだって。
ではロケット打ち上げの日の朝に宇宙飛行士たちが験(げん)担ぎに飲む飲み物は一体なに?
正解は「シャンパン」
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宇宙飛行士たちの風変わりな伝統
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人は昔から先の見通しが立たないことを行う時に「験(ゲン)を担ぐ」ことで心の平穏を保ってきました。
それは優秀な宇宙飛行士といえども同じこと。
まだまだ人知の及ばない宇宙空間に飛び込むとなれば、限界までゲンを担ぎたくなる気持ちもわかりますよね。
そんなわけで実は宇宙飛行士たちは打ち上げの前にゲンを担ぐ意味で、様々な習慣や慣例を守っているのです。
特にロシアから発射される宇宙船に乗り込むクルーは様々な特殊な慣例を守ることで知られています。
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そんな慣例の一つが「ロケット打ち上げ当日の朝にゲン担ぎでシャンパンを飲む」というものなんです。
さらに、慣例はこれだけにはとどまりません。
他にも
- 打ち上げ数日前には宿泊しているホテルの庭に植樹をする
- 打ち上げ前夜は乗組員が揃って「砂漠の白い太陽」という映画を見る(その後サウナに入る)
- 打ち上げ当日にホテルから出る際には決まった曲をかける
などなど、事細かな儀式があります。
中には「宇宙基地に向かうバスを発射台の少し手前で下りて、バスの後輪に立小便をする」という衝撃的な内容のものも!
さすがに女性飛行士にはこの伝統は課されてないのですが、中には自主的に容器に入れて持参したうえでかける人もいるのだといいます。
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一体なぜこれらの一風変わった伝統が生まれたのでしょうか。
実はこれらの行動はすべて、人類で初めて宇宙飛行を成功させたユーリ・ガガーリンが打ち上げ前に取った行動なのだと言います。
それまで6度も失敗していた飛行を彼が成功させたことから「ゲン担ぎ」として彼の行動を再現するようになったのだそうです。
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ちなみに、ガガーリンは宇宙船の操縦室内にくまの人形を持ち込んだことも知られています。
彼は船内に人形をぶら下げ、これをお守り替わりにしたそうです。
ただしこの行動は単なるゲン担ぎ的な意味だけでなく、
人形の様子を見ることで船が無重力状態に入ったことを知るための
指標(インジケータ―)であったことも知られています。
現在でも操縦室にくまの人形を持ち込むことは伝統として引き継がれており、
実際に2018年にISS(国際宇宙ステーション)に向けて出発した船には日本のくまのぬいぐるみが持ち込まれました。
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最大限の準備をして宇宙飛行に臨む飛行士の方々も打ち上げに当たっては、人知を尽くして天命を待つのみ。
極限の状態で心の平静を保つために、こうした奇妙とも思える慣習の数々を今も引き継いでいるわけです。
そんなことを考えながら宇宙船の発射を眺めるのも、なかなか面白いかもしれませんね。
もぐさん
参考ページ
- http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/cosmic_news_20150327.html.html
- https://jp.rbth.com/news/2016/05/26/597547
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