過酷な環境を耐えるために宇宙飛行士たちが着る船外活動用の白い宇宙服はEMUsと呼ばれ、宇宙飛行士の命を守るための様々な機能を搭載しているんだ。
では、この船外活動用のスーツEMUsは、一着いったい、いくらくらい?
正解は「日本円で約10億円5000万円」!!
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宇宙服は1着なんと10億円越え!
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宇宙飛行士が宇宙空間での活動を行う際に必要な「宇宙服」。
「服」という名前がついていますが、人が宇宙で活動するための膨大な機能が備えられており
「小さな人型の宇宙船」といえるほどです。
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宇宙飛行士は、宇宙遊泳などの船外活動を行うときに
「船外活動ユニット(EMU)」と呼ばれる宇宙服を身に着けます。
このEMUは、NASAが1974年に開発したもので、
1着の値段はなんと約10億5000万円という驚きの値段なのだといいます!
一体このEMUの何がそれほどまでに高価なのでしょう。
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EMUは大きく分けて2つの部分で構成されています。
1つ目は「生命維持システム(LSS)」。
宇宙服のイラストなどで宇宙飛行士が背中に白い箱を背負っているのを
よく見かけるのではないでしょうか。
この白い箱のようなものがLSSです。
LSSは宇宙服の内部気圧、気温、酸素や電力のコントロールを行っており
宇宙飛行士の生命を守るための超重要なシステム。
当然値段も重要度に比例しており、LSSのみで約9億5000万円もするのだといいます…!
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もう1つは「宇宙服アセンブリ(SSA)」。
全身を覆う服としての役割を担っている部分で、まさに宇宙服の外観そのもの。
太陽からの放射線を防ぎ、高速で宇宙空間を移動する粒子から身を守るための設計が
施されています。
特殊な生地を14枚重ねて手縫いで丁寧に縫い合わせて作られているのだとか。
このSSAの値段が約1億円となっています。
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あまりにも高価な「宇宙服」ですが、近年その高価さゆえに様々な課題が生じているのだといいます。
もともと1974年に開発された宇宙服は15年の寿命で設計されていました。
しかし現在でも当時の宇宙服が現役で使われており、40年以上使われていることになります。
開発当時は18着あった宇宙服も7着は事故で失われたり破損し、
残りの11着は老朽化が進んでいるのが現状。
NASAは新型宇宙服の開発を進めているものの、実用化にはなかなか至っていないようです。
それでも数多くの企業や研究機関が開発に取り組んでいます。
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今後新型宇宙服の開発競争が進むと、
今までの宇宙服のイメージを覆すような宇宙服が登場するのかもしれませんね。
もぐさん
参考ページ
- https://www.nasa.gov/audience/forstudents/k-4/stories/nasa-knows/what-is-a-spacesuit-k4.html
- https://www.businessinsider.com/why-nasa-spacesuits-so-expensive-cost-russia-spacex-2020-3
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